先日、ある医療系サイトを調査していたとき、驚くべき事実を発見しました。
Microsoft Clarityのタグが3つ同時に動作していたのです。Clarityといえば、ユーザー行動を記録し、ヒートマップやセッションリプレイを提供する便利なツール。しかし、通常は1つのタグで十分なはず。それがなぜ、3つも動いていたのでしょうか?
実際のログを見てみる
❌ リクエスト失敗: https://www.clarity.ms/tag/xxxxxxxxxx?ref=gtm2 ❌ リクエスト失敗: https://www.clarity.ms/tag/yyyyyyyyyy?ref=gtm2 ❌ リクエスト失敗: https://www.clarity.ms/tag/zzzzzzzzzz
※ 実際のタグIDはセキュリティの観点から伏せています。
なぜタグIDを伏せるのか?
ClarityのタグIDは特定プロジェクトを識別する情報であり、第三者に知られると次のリスクがあります。
- 不正アクセスやソーシャルエンジニアリングの足がかりになる
- どのサイトがどのClarityプロジェクトを利用しているか特定される
Microsoft Clarity自体は厳重に管理されていますが、「無駄な情報を公開しない」ことが基本セキュリティ対策です。
なぜClarityタグが3つも?
考えられる原因は次のとおりです。
- 部署ごとに別々でタグを追加
- 外部コンサルや制作会社が重複設置
- 古いタグを削除せず放置
- A/Bテスト時に複数タグを誤って併用
いずれにしても、「タグ管理の不備」が根本原因です。
Clarityタグ重複で発生する問題
1. ページ表示の遅延
同じスクリプトを3回も読み込めば、ページ速度は確実に低下します。
結果、Core Web Vitals(LCPやCLS)に悪影響 → SEOスコアが下がります。
2. データの精度低下
同一ユーザーのデータが複数のプロジェクトに送信され、訪問数やCVRが3重計上されます。A/Bテストの結果も壊れ、マーケティング判断を誤る危険があります。
3. プライバシー・法的リスク
行動データが複数の場所に送信されることで、個人情報保護法やGDPRの観点でリスクが増大します。特に医療系サイトは注意が必要です。
4. 技術的エラーの発生
今回のケースでも「ORBエラー」が確認されました。複数タグが同時にリクエストを投げることで、ブラウザが混乱し、タイムアウトや画面崩れを起こすこともあります。
5. コストと運用負担の増加
同じ解析を3回するので、サーバー負荷や帯域の無駄が発生。さらに、タグの管理が複雑化し、修正コストも跳ね上がります。
どう対策する?
Clarityタグは原則1つに統一すべきです。対策のポイントは次の通りです。
- Google Tag Managerで一元管理
- 定期的にタグ監査(Tag AssistantやLighthouse)を実施
- 不要なタグを削除し、1つのプロジェクトに統合
まとめ
Clarityは強力なツールですが、タグの重複は「百害あって一利なし」。
サイトの速度低下、データ精度の崩壊、プライバシーリスク、運用負荷増大と、リスクだらけです。
タグの適正管理は、ユーザー体験とSEO、そして安全性を守る第一歩です。
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