第4回:採用チャットの初期設定とカスタマイズ

第4回 採用チャットの導入と初期設定に関するサムネイル画像

採用チャットに“らしさ”を持たせる初期設定の考え方

今回は、実際に採用チャットとしてリリースするために行った初期設定やカスタマイズについて、可能な範囲でご紹介します。
ただし細かい設定やプロンプトの中身までは非公開とし、あくまで“考え方”と“雰囲気”の共有です。

キャラクターの口調や性格をどこまで調整するか

チャットの口調やトーンは、ユーザー体験に直結する重要な要素です。
今回は「真面目すぎず、フレンドリーすぎない」バランスを意識し、特定の話題には答えないよう制限を設けたり、距離感を調整したりしました。
このあたりの微調整が、“なんとなく好感が持てる”チャットになる鍵だと感じました。

「答え→補足→リンク」の順番を意識する

最近のチャットボットでは、すぐに「詳しくはこちら」とだけ返してくるパターンが多く見られます。
でも、テスターからは「それじゃ検索の方が早い」との意見も。
そこで今回は、まず答えを文章で出し、その後にリンクを添える構成にしました。

実際の応答例から見る“らしさ”

以下は、実際のチャット応答の一例です。

質問:応募に必要な書類は?
回答:
応募フォームに履歴書を添付していただいた場合、そのまま書類選考に進みます。
また、ご応募前のお問い合わせ・ご相談も受け付けております。
(PDF形式で添付できない場合は、「お問い合わせの種類」で「お問い合わせ・ご相談」を選択してご連絡ください。)
詳しくは、こちらをご覧ください: https://recruit.shiny-co.jp/demo/entry

採用チャットボットが応募書類に関する質問に回答している画面の例
▲ 実際に採用サイトで動いているチャットボットの回答画面(質問:応募に必要な書類は?)

大手のチャットボットと比較して気づいたこと

大手企業のサイトでもチャットボットをよく見かけますが、驚いたのは「実はそこまで便利ではないこと」でした。
たとえば「店舗の営業時間を教えて」と聞いても、「○○のページをご覧ください」とだけ返され、そこから数回のクリックをしないと答えにたどり着けないことも。
もしかすると、月に何十万アクセスもある大手では、AIの負荷を避けるために、あえて情報を絞っているのかもしれません。

中小企業だからこそできるチャット体験を

逆に言えば、中小企業で運用するような立場では、もっと“人間らしい対応”に近づける工夫ができるということでもあります。
「中小企業だからこそ差別化できる」。そう感じる場面がたくさんありました。

▶ 第5回:「大手チャットボットの“弱点”を見て見えてきた、中小企業運用の強み」