採用チャットに“らしさ”を持たせる初期設定の考え方
今回は、実際に採用チャットとしてリリースするために行った初期設定やカスタマイズについて、可能な範囲でご紹介します。
ただし細かい設定やプロンプトの中身までは非公開とし、あくまで“考え方”と“雰囲気”の共有です。
キャラクターの口調や性格をどこまで調整するか
チャットの口調やトーンは、ユーザー体験に直結する重要な要素です。
今回は「真面目すぎず、フレンドリーすぎない」バランスを意識し、特定の話題には答えないよう制限を設けたり、距離感を調整したりしました。
このあたりの微調整が、“なんとなく好感が持てる”チャットになる鍵だと感じました。
「答え→補足→リンク」の順番を意識する
最近のチャットボットでは、すぐに「詳しくはこちら」とだけ返してくるパターンが多く見られます。
でも、テスターからは「それじゃ検索の方が早い」との意見も。
そこで今回は、まず答えを文章で出し、その後にリンクを添える構成にしました。
実際の応答例から見る“らしさ”
以下は、実際のチャット応答の一例です。
質問:応募に必要な書類は?
回答:
応募フォームに履歴書を添付していただいた場合、そのまま書類選考に進みます。
また、ご応募前のお問い合わせ・ご相談も受け付けております。
(PDF形式で添付できない場合は、「お問い合わせの種類」で「お問い合わせ・ご相談」を選択してご連絡ください。)
詳しくは、こちらをご覧ください: https://recruit.shiny-co.jp/demo/entry

大手のチャットボットと比較して気づいたこと
大手企業のサイトでもチャットボットをよく見かけますが、驚いたのは「実はそこまで便利ではないこと」でした。
たとえば「店舗の営業時間を教えて」と聞いても、「○○のページをご覧ください」とだけ返され、そこから数回のクリックをしないと答えにたどり着けないことも。
もしかすると、月に何十万アクセスもある大手では、AIの負荷を避けるために、あえて情報を絞っているのかもしれません。
中小企業だからこそできるチャット体験を
逆に言えば、中小企業で運用するような立場では、もっと“人間らしい対応”に近づける工夫ができるということでもあります。
「中小企業だからこそ差別化できる」。そう感じる場面がたくさんありました。
▶ 第5回:「大手チャットボットの“弱点”を見て見えてきた、中小企業運用の強み」